タイとのFTA

日タイ、FTA合意 自動車関税、段階的に引き下げ
2005年08月01日13時12分 by asahi.com

 日本とタイの自由貿易協定(FTA)交渉が事実上、決着した。タイを訪問している中川経済産業相が1日、タイのタクシン首相やソムキット副首相と相次いで会談し、最後の懸案だった自動車や鉄鋼の関税引き下げなどで大筋合意した。日本のFTA合意はシンガポール、メキシコ、フィリピン、マレーシアに次いで5カ国目で、日本にとって5カ国中、最大の貿易相手国との協定となる。

 これを受け、小泉首相とタクシン首相が8月に首脳会談を開き、正式合意する見通しだ。

 農林水産分野は今年4月に基本合意を済ませており、鉱工業品分野が交渉の最後の焦点として残っていた。1日の会談で、最大の懸案だった自動車関税については、排気量3000cc以上の乗用車の関税(現行80%)は2010年まで段階的に引き下げる。4年後から再協議し、2010年代半ばの撤廃をめざす。3000cc未満は再協議する。自動車部品の関税は2011年までに撤廃し、鉄鋼は10年以内に撤廃することで合意した。

 タイの自動車産業を育成するため、日本が人材育成に協力することも決めた。投資サービス分野では、製造業のアフターサービス関連に日本企業が進出する際の出資上限の緩和も合意した。

 両国は04年2月にFTA交渉を開始した。農林水産分野では、日本が熱帯果実の関税を撤廃するほか、鶏肉の関税引き下げに同意。一方、タイはコメや砂糖などの自由化要求を取り下げた。

 ただ、タイ側は自動車や自動車部品、鉄鋼などの関税引き下げを渋ってきた。外国メーカーの現地生産を土台に発展してきた国内産業が、競争力のある日本製品の輸入増加で脅かされることを懸念したからだ。

 両国の04年の貿易額(財務省統計)は、機械、自動車、鉄鋼製品など日本からの輸出は2兆1922億円、電気製品やゴム、加工魚など日本の輸入は1兆5252億円。タイにとっても日本は最大の輸入相手国で、輸出相手としても米国に次ぐ。

FTA着実に進んでいるようですな。コメは日本の最大関税障壁。食料自給率の問題もあるんだろうけど、タイ米が安く入ってきてもさほど影響ないように思うんだけどな。タイの自動車関税撤廃も全廃じゃないしな。どれだけ、効果があるのか、よくわからんですな。やらないよりましといったところかな

外務省の解説
農水省の言い分
浦田秀次郎氏の解説 2003年の講演から。この分野の第一人者だが、いいことしか書いてないなあ。

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8月4日付・読売社説(2)
 [タイFTA]「『質の高い協定』へ詰めを誤るな」

 日本とタイが、自由貿易協定(FTA)を柱とした経済連携協定(EPA)を締結することで基本合意した。だが、その内容には、今後に課題を残すものが少なくない。

 日本が最重要としていた自動車・自動車部品の輸入自由化で、タイは大型車では現在80%の高関税を2009年までに60%に引き下げることを受け入れた。

 しかし、中小型車は当面据え置きとなり、5年以内に再協議することにとどまった。部品の関税撤廃期限も、「原則として11年」まで先延ばしされた。

 即時引き下げか撤廃で自動車貿易を活発化する、当初の日本側の狙いからは大幅な後退だ。自動車部品の関税撤廃の道筋や、例外扱いにする部品の内容などでも、不明確な点を残している。

 日本がタイ側の譲歩を引き出すために追加提示した介護士や料理人の受け入れについても、年間の受け入れ人数などの詰めは、これからだ。

 FTAで欧米やアジア諸国に後れを取っていた日本は一昨年来、交渉のピッチを上げ、タイを含め5か国と合意している。だが、実際に協定を締結したのはシンガポールとメキシコだけだ。

 フィリピンとは、昨年11月に首脳レベルで大筋合意した。だが、看護師、介護士の日本側の受け入れ人数など具体的な調整が難航し、いまだに協定締結のめどが立たない。協定締結へのタイとの交渉が、二の舞いになってはならない。

 日本は、韓国、インドネシア、東南アジア諸国連合(ASEAN)との間でも締結交渉を進めている。

 これらの国との交渉を早期に決着させるための弾みとする上でも、タイとの交渉の詰めを急ぎ、協定を締結することが極めて重要だ。

 中国は東アジアの国々に対し、活発に協定締結を働きかけている。このままでは、中国にFTA網構築の主導権を握られかねない。

 日本は、協定について、質の高い内容を目指す戦略を掲げている。中国のようにモノの取引に限定せず、ヒトやサービスの自由化、経済・技術協力の強化などを包含する幅広い経済連携の協定にするというものだ。

 だが、いくら志が高くても、実際の協定締結、発効にこぎ着けられないのでは、意味がない。タイは無論、フィリピン、マレーシアなど基本合意した国々と交渉の最終決着を急がねばならない。

 鉱工業品や農林水産物など主要分野の詰めの段階では、相手国の譲歩を引き出すためにも、労働市場の開放など他の分野での前向きの対応が重要になる。

(2005年8月4日7時17分 読売新聞)

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by otschan | 2005-08-01 16:31 | 時事
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